ストレプトゾトシン誘発性1型糖尿病モデルマウス(STZマウス)では血糖値の上昇に伴い疼痛閾値の低下が認められた。STZ投与後14日目における疼痛閾値の低下はAT1受容体拮抗薬のロサルタンによって抑制された。STZマウスの脊髄後角においてアンジオテンシン (Ang) ⅡおよびAng変換酵素 (ACE)の発現量は上昇していた。さらに、ACEはグリア細胞ではなく、神経細胞特異的に発現していることが確認された。以上の結果より、STZマウスでは脊髄後角の神経細胞におけるACEの発現量増加に起因し産生量が増加したAng ⅡがAT1受容体に作用し、糖尿病性神経障害性疼痛を引き起こしていることが示唆された。
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