ラットの実験的緑内障モデル(NMDA 硝子体内投与網膜傷害モデル)を用いて、ミュラー細胞による神経―血管連関制御機構の解析を行った。そして、1)ミュラー細胞は ERK 経路の活性化を介して網膜の神経と血管に対する保護作用を示すこと、及び2)ミュラー細胞の機能障害は網膜の神経と血管の障害を招き、それは一部、網膜内のグルタミン酸処理能力の低下によることを示した。本研究により、ミュラー細胞は緑内障の進行のみならず発症過程においても保護的な役割を担っていることが明らかになった。またミュラー細胞による「神経―血管連関」の制御機構のより深い理解と緑内障発症及び進行機序の一端が解明された。
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