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2015 年度 実施状況報告書

ストレスタンパク質に着目した、肺線維化抑制機構の解明と治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26460104
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

田中 健一郎  慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (30555777)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード特発性肺線維症 / スクリーニング / 既存薬
研究実績の概要

(1)既存薬ライブラリーを用いたスクリーニング
既存薬ライブラリーから、肺線維化を抑制するストレスタンパク質を誘導する薬をスクリーニングした。細胞毒性を示さないこと、線維化の発症・増悪因子であるTGF-β1の産生を減らすことも候補薬剤を絞りこむための指標として加えた。その結果、私は肺線維化を抑制する可能性のある候補薬を上述のin vitroの試験から選出し、それらに関して肺線維症のモデルであるブレオマイシン肺線維化モデルでの効果を予備検討した。また、これらの研究と併せて、in vivoの評価は、より臨床に近いモデルで検討する必要があるので、そのための予備検討も実施した。

(2)ストレスタンパク質のDDS 技術を用いた修飾
DDS製剤の専門家と相談し、ストレスタンパク質のDDS製剤化を進めている。これまでの研究で成功したレチシン結合、あるいはヒト血清アルブミンを結合させる方向で進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

既存薬ライブラリーからストレスタンパク質を誘導する薬のスクリーニングが完了しており、予備検討ではあるが、マウスモデルでの検討も実施している。ストレスタンパク質のDDS製剤化に関しては、完了はしていないが、DDS製剤の専門家と十分に相談し計画が立てられているため、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

(1)選択した既存薬、及びDDS製剤の疾患治療薬としての評価
選択した既存薬の効果をブレオマイシン依存肺線維化動物モデルで上皮細胞死(TUNEL 法)、肺胞洗浄液中での炎症性細胞数、ヒドロキシプロリン量(コラーゲン量)を指標に評価する。結果を総合的に判断し、IPF 治療薬として有望な既存薬を決定する。また決定した既存薬とストレスタンパク質のDDS 製剤の薬理効果を比較する。
(2)薬剤性肺線維症発症機構の解明と、その治療法の確立
薬剤性肺線維症を起こすことが知られている薬剤は、抗癌剤(イマチニブやゲムシタビンなど)、抗リウマチ薬(メトトレキサートやレフルノミドなど)、漢方薬(小紫胡湯など)、アミオダロンである。これらの薬剤依存に肺線維化を起こす動物モデルを作成する。また、このモデルが臨床に近い肺線維症のモデルであるかを病理や呼吸器の専門家とともに検証する。最終的には、前述の研究で同定した既存薬をこのモデルに投与し、症状が改善されるかを検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Superoxide dismutase overexpression protects against glucocorticoid-induced depressive-like behavioral phenotypes in mice.2016

    • 著者名/発表者名
      Uchihara Y, Tanaka K, Asano T, Tamura F, Mizushima T.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 469 ページ: 873-877

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2015.12.085.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The exacerbating roles of CCAAT/enhancer-binding protein homologous protein (CHOP) in the development of bleomycin-induced pulmonary fibrosis and the preventive effects of tauroursodeoxycholic acid (TUDCA) against pulmonary fibrosis in mice.2015

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Y, Ishitsuka Y, Hayasaka M, Yamada Y, Miyata K, Endo M, Kondo Y, Moriuchi H, Irikura M, Tanaka K, Mizushima T, Oike Y, Irie T.
    • 雑誌名

      Pharmacol Res.

      巻: 99 ページ: 52-62

    • DOI

      10.1016/j.phrs.2015.05.004.

    • 査読あり
  • [学会発表] Drug discovery and development for COPD by drug re-positioning strategy.2016

    • 著者名/発表者名
      田中健一郎
    • 学会等名
      第89回日本薬理学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川県・横浜市西区)
    • 年月日
      2016-03-09 – 2016-03-11
    • 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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