研究実績の概要 |
既承認薬ライブラリーを用いて、肺線維化を抑制する薬のスクリーニングを行い、11種類の薬を選出した。選出した薬を用いて、ブレオマイシン肺線維化モデルでの予防効果や治療効果の検討を行い、Felodipineというカルシウム拮抗薬が最も顕著にブレオマイシン肺線維化モデルの発症や進行を抑制することを見出した。また、Felodipineが線維化ストレス(Transforming growth factor-beta)によって誘導されるalpha-SMAやsmad3リン酸化型の発現を、培養細胞(肺線維芽細胞 (LL29細胞, HFL1細胞))を用いたin vitroの系やブレオマイシン肺線維化モデルにおいて顕著に抑制することを発見した。また、線維化(治療モデル)の抑制には、Felodipineが持つ抗炎症作用が関係ないことも見出した。以上の内容は、アジア太平洋呼吸器学会(The 21st Congress of the Asian Pacific Society of Respirology (APSR2016)、及び英語論文(Tanaka et al, Scientific reports in press)で発表した。 また、ストレスタンパク質のDDS製剤やその他の生理活性物質を用いて、肺線維化モデル、及び肺線維化の急性増悪モデルに対する発症予防効果、及び治療効果を検討し、それらの物質が有効であることを見出した。
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