研究課題/領域番号 |
26460105
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
渡部 多真紀 帝京大学, 薬学部, 助手 (40453691)
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研究分担者 |
細山田 真 帝京大学, 薬学部, 教授 (00291659)
土屋 雅勇 帝京大学, 薬学部, 教授 (80398586)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 尿酸 |
研究実績の概要 |
本研究は、高尿酸血症から慢性腎臓病(CKD)になる家族性若年性高尿酸血症性腎症(FJHN)のモデルマウスと、 CKD進行要因であるウロモジュリン排泄増加モデルマウスのどちらも尿酸トランスポーター Slc22a12 遺伝子発現が亢進し、アンドロゲン作用を増強する Srd5a2 遺伝子の発現が前者では亢 進、後者では不変であった研究結果を発展させ、2 つのモデルマウスの Slc22a12 発現亢進に対してアンドロゲン系とアンジオテンシン系阻害薬を用いた抑制効果について明らかにすることを目的としている。 しかし、上記のモデルマウスにおいて、Slc22a12遺伝子が発現亢進するにもかかわらず、URAT1分子の発現は亢進しなかったことから、URAT1とは別のSlc22a12遺伝子の転写産物が存在する可能性が考えられた。従って初年度は、Slc22a12の未知の転写産物のクローニングを試み、Slc22a12の転写産物をすべて明らかにした上で、当初の計画であるアンドロゲン系とアンジオテンシン系阻害薬を用いた抑制効果について検討することにした。 野生型マウスとURAT1ノックアウトマウスの腎total RNAを材料として、Northern blottingおよびRT-PCR法により検討したところ、URAT1とは別のmRNA発現を確認することができた。常法通りにPCRクローニングを行い、この新規転写産物のcDNAクローンが得られた。マウス腎臓ミクロソーム分画のWestern blottingにより、新規転写産物の予想分子量に近似するモノマーおよびダイマーとしてマウス腎臓に発現していることが示された。今後は新規転写産物が尿酸トランスポーターとしての機能を持つかどうか検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は新規転写産物のクローニングに取り組む計画に変更し、新規クローンが得られたため、おおむね初年度の研究は順調に進展されていると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
新規転写産物を含めて、Slc22a12遺伝子の発現に対するアンドロゲン系とアンジオテンシン系阻害薬を用いた抑制効果について検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新規クローニングを行い既存の試薬等で出来たため当初の使用予定金額に至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度においては、アンドロゲン系とアンジオテンシン系阻害薬を用いた抑制効果を検討するため、試薬等の購入が増える予定であり予定金額が達成できると考える。
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