グルタミン酸は食餌中のうま味成分として知られ、小麦や大豆などに多く含まれるアミノ酸であり、消化管粘膜の恒常性維持に寄与している。本研究では、グルタミン酸のヘリコバクター・ピロリ誘起胃粘膜病変に対する効果について検討した。グルタミン酸の前処置は、マウスにおけるヘリコバクター・ピロリ菌による胃炎を抑制した。この作用は、グルタミン酸の抗菌作用ではなく、グルタミン酸による胃粘液増加作用がヘリコバクター・ピロリ菌の胃内定着を抑制したことによると考えられた。グルタミン酸は、ヘリコバクター・ピロリ関連胃粘膜病変の予防および治療に有用である可能性が示唆された。
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