研究実績の概要 |
本年度は前年度取得した化合物の中で最も強い活性を示したcomplestatinおよびその位置異性体であるchloropeptin Iに着目しpfFabI阻害活性を精査した。また、化合物ライブラリーおよび微生物培養液のスクリーニングを継続しpfFabI阻害活性物質を見出した。 1 Complestatin生産菌を新たに培養し、complestatin、chloropeptin Iを精製、単離した。pfFabI阻害活性はそれぞれ 3.61,4.36 microMであった。これら2化合物はin vitro肝臓ステージのマラリア原虫に対しpfFabI阻害活性と同等の活性を示すことが確認され、新たな知見となった。 2 糸状菌代謝産物のintegracide A, 放線菌代謝産物のmadurahydroxylactoneにIC50でそれぞれ25.6, 35.3 microMのpfFabI阻害活性が見出され、新たな知見となった。 3 糸状菌培養液(FKI-7533)よりIlicicolinic acid D(IC50 25.7 microM)を単離した。本化合物の新規類縁体も同時に単離したが、pfFabI阻害活性は見られなかった。 4、その他としてType IIの脂肪酸合成系を有する病原原虫(Leishmania Trypanosomaなど)に 対するcomplestatine, chloropeptin Iの評価を行なっている。ポジティブコントロールのtricrosanはLeishmania 原虫に対しIC50 12.3 microMであった。
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