研究実績の概要 |
本年度は取得した化合物についてpfFabI阻害活性および一部の化合物についてtypeII型の脂肪酸合成系を有するリーシュマニア原虫に対する作用の検討を行った。また、抗生物質ライブラリーと微生物培養液のスクリーニングも継続して行い、新たにpfFabI阻害活性を示す状菌代謝産物のxanthofulvin、cinatrin D, Eが見出された。新規pfFabI阻害活性物質と予測される化合物を含む放線菌培養液も見出され検討を継続中。 研究期間中に、抗生物質ライブラリーおよび5991サンプルの微生物培養液から14化合物のpfFabI阻害活性が見出され新たな知見となった。また、新規pfFabI阻害活性物質と予測される化合物を含む放線菌培養液1サンプルが見出されている。抗生物質ライブラリーより見出された7化合物のpfFabI阻害活性はIC50値7.9-118.8 microMであった。培養液より単離された6化合物のpfFabI阻害活性はIC50値でそれぞれ4.8-66.4 microMを示した。最も強いpfFabI阻害活性を示したcomplestatin及びchloropeptin I(放線菌K12-0823より単離、IC50値それぞれ4.8, 5.8 microM)について、抗マラリア、抗リーシュマニア活性を精査したが、いずれも>12.5 microMであった。さらに公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)のコラボレーションセンターの協力を得て、in vitro肝臓ステージマラリア原虫に対する阻害活を確認したところ、それぞれIC50で4.1および4.5μMの阻害活性が認められた。酵素阻害活性のみならず、肝臓ステージに対する抗原虫阻害活性も認められたことは新たな知見となった。
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