研究実績の概要 |
赤痢アメーバ特異的なシステイン合成酵素のうち、未だ特異的阻害化合物を見いだせていないcysteine synthase 3に対し、選択的な阻害活性を示す微生物培養液9,642サンプルをスクリーニングした。その結果、放線菌培養液4,405サンプルから75サンプル、糸状菌培養液5,237サンプルから126サンプルにそれぞれCS3選択的な阻害活性を見出した。 並行して、過去に行ったスクリーニングで見出したcysteine synthase 1を阻害する微生物培養液から阻害化合物を精製した。糸状菌Penicillium sp. FKI-6747株の培養液から、monochlorosulochrinをCS阻害化合物として単離した。MonochlorosulochrinはIC50値100 microgram/mlでCS1とCS3の両アイソザイムを阻害した。同株の培養液から、monochlorosulochrinと構造類似のasterric acidも単離したが、こちらには阻害活性は認められなかった。 これまでに見出した阻害化合物をインドのジャワハルラールネルー大学のGourinath博士に提供し、共同研究として、cysteine synthaseと阻害化合物との共結晶構造解析を開始した。
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