研究実績の概要 |
1)オウゴンからのフラボノイドの単離:研究対象とするbaicalein, wogonin, 6-methoxywogonin, oroxylin Aのオウゴンからの単離を行い、baicalein, wogonin, oroxylin Aについては充分量を確保できたが、6-methoxywogoninについては単離を継続中である. 2)フラボノイド混合物のCOX-2並びにiNOSへの作用の解析:充分量が確保できたbaicalein, wogonin, oroxylin AについてCOX-2への直接阻害作用を検討した.単一化合物としてはoroxylin Aの阻害率が最も高く続いてbaicalein,wogoninの順であったが,この3種を混合しても細胞で観察された増強作用は見られなかった.次に,COX-2並びにiNOSのmRNAの発現に対する影響を調べた結果,COX-2についてはwogoninに最も強い活性が見られたが,3種のフラボノイドの混合による活性の増強は見られなかった.また,iNOSについてはやはりwogoninに最も強い活性が見られ,3種のフラボノイドを混合すると活性が上昇する傾向が見られた. 3)フラボン誘導体の合成:A環の6, 7, 8位にのみ酸素官能基を持つフラボノイドの合成を目指し,まずピロガロールを出発原料として合成を開始したが,アシル化の収率が悪かったことから,原料を市販の2',3',4'-trihydroxyacetophenoneに変更し,フラボン骨格の5位に水酸基を持たず,6位に水酸基,7, 8位にメトキシ基を持つ化合物を合成した.この化合物は,培養細胞系においてオウゴンのフラボノイドよりも強いPGE2産生抑制活性を示した.
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