Kinesin spindle protein(KSP)を標的にS-trityl-L-cycteine誘導体の更なる構造最適化を行った結果、トリチル部Ph基をアルキル鎖で架橋し残りのPh基に置換基を導入することでKSP ATPase・細胞増殖阻害活性ともにIC50値nMレベルを達成し、ヒトがん移植ヌードマウスでも抗腫瘍効果を確認した。物性改善のための極性基導入や分子内硫黄原子を炭素原子にした誘導体の合成検討では、C体中間体であるヒダントイン誘導体に強い細胞増殖阻害活性を認め、これら新規システイン誘導体はKSP阻害に基づく次世代抗がん剤候補として有望であることを明らかとした。
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