研究課題/領域番号 |
26460155
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
山本 恵子 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (90147017)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ビタミンD / ビタミンD受容体 / 共有結合 / ESI-MS / 結晶構造解析 / マイケル付加 |
研究実績の概要 |
α位に2つ目の電子吸引基をもつエノンあるいはエノエートがシステインやヒスチジンと共有結合するか否か、また共有結合する場合、可逆的か非可逆的か明らかにするために、以下の実験を行った。 2015年度に再設計したリトコール酸の24位カルボン酸のカルボニル基をエノンカルボニルとして用いる化合物を低収率ながら合成できたので、2016年度は同様の側鎖をもつ活性型ビタミンD誘導体の合成を行った。既に報告した活性型ビタミンD誘導体の24-アルコール化合物を出発物質として用いた。24位アルコールをアルデヒドに酸化した後、アセトニトリルと縮合させた。続いてDess-Martin酸化、それに続くアセトアルデヒドとの縮合により、カルボニル基とシアノ基の二つの電子吸引基をもつ目的のエノン化合物の合成を達成した。本化合物の受容体への結合能をトリチウムでラベルした活性型ビタミンDとの競合的結合実験により評価した。その結果、活性型ビタミンDの約1/10の親和性をもつことが示された。更に、標的遺伝子の転写活性をルシフェラーゼアッセイにより測定した。その結果、プレリミナリーな結果ではあるが、転写活性をもつことが示された。 今後は結晶構造解析やESI-マススペクトル解析を詳細に検討し、本化合物が共有結合するのか、共有結合する場合どのアミノ酸残基と結合するのか、その結合は可逆的か非可逆的かなどの結合様式を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
カルボニル基とシアノ基の二つの電子吸引基をもつ目的のエノン化合物であるビタミンD誘導体の合成を達成した。また、本化合物の受容体への結合能を測定し、受容体に結合することを示した。従っておおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
合成した化合物の結晶構造解析やESI-マススペクトル解析を詳細に検討し、本化合物が共有結合するのか、共有結合する場合どのアミノ酸残基と結合するのか、その結合は可逆的か非可逆的かなどの結合様式を明らかにする。 類縁体の合成も試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬を予定より安価に購入できた。
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次年度使用額の使用計画 |
試薬購入に充てる。
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