ムメフラール(MF) は、ノイラミニダーゼ及びヘマグルチニンを阻害することでインフルエンザウイルスに対して増殖抑制を示すことから、新たな作用機序をもつ薬剤候補化合物への展開が期待される。 本研究では、MFの合成法を確立するとともに、数多くのMF誘導体を調製した。また、MFの両鏡像体の合成も達成した。これらMF及びその誘導体の阻害活性を検討した結果、ヒドロキシジカルボン酸単位が活性発現に必須であること、エステル部は代替が可能であり、アダマンチルメチルに置き換えることで約10倍の活性の向上が見られた。さらに、MFの両鏡像体を比較することでS配置の立体化学が活性発現に適していることが判明した。
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