研究課題/領域番号 |
26460159
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
柿澤 多惠子 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (60445963)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 創薬化学 |
研究実績の概要 |
研究代表者は、ヒストン脱メチル化酵素である lysine-specific demethylase 1(LSD1)の基質に相当するヒストン H3 の配列に基づいた創薬研究を行ってきた。これまでの研究では、ヒストン H3 の配列の中で、LSD1 から脱メチル化を受ける 4 番目のリシン残基(Lys-4)の側鎖部分に、LSD1 への阻害活性を示すことが予想される部位を導入するなどの研究を行ってきた。今年度は、薬剤の合成ルートの短縮および Lys-4 の側鎖部位への新たな構造活性相関研究を行った。 これまでの合成ルートでは、阻害剤のヒストン H3 の配列部分は一般的なペプチド固相合成法によって合成し、Lys-4 部位の修飾は固相上および液相での有機合成を組合せた方法を採用していた。しかし今年度より、Lys-4 部位の修飾を固相上のみで行う方法を導入し、合成ルートを短縮することが可能となった。即ち今後の研究をより効率よく発展させることができる可能性が示唆される。そして、短縮した合成ルートを活用し、Lys-4 の側鎖部位の更なる構造活性相関研究を行った。修飾した Lys-4 部位を誘導する際の前駆体となるアミノ酸の側鎖部位を変化させ、一連の阻害剤を合成した。得られた化合物に対し、リコンビナント LSD1 を用いた酵素阻害活性評価を行った。その結果、LSD1 への阻害活性は全体的に低い値を示したが、これらのデータをまとめて国内の学会にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記載していた基質配列の最適化や構造活性相関などの、主な研究計画をおおむね終わらせることができた。また、得られたデータを学会等で発表することができたため、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に記載していた内容により精緻に達成するため、研究を進めていく予定である。特に、研究計画書の 2 年目以降に予定していた構造活性相関研究などを更に推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画書に記載していた、基質配列の最適化が比較的速やかに終わったことに加え、目的物の合成ルートの短縮を行うことができたため、次年度以降に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画書の 2 年目以降に計画されていた構造活性相関などをより精緻に達成していく予定である。
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