ヒスタミンH3Rアンタゴニストは、従来中枢疾患の新しい治療薬として期待されてきた。我々は、2015年にH3Rに対して受容体特異性と種特異性を併せ持つ新しいタイプのH3Rアンタゴニスト,OUP-186を発表した。一方、H3Rが癌の発生に関係するという報告が見られることから、OUP-186に癌の増殖抑制作用を期待し、本研究を着手した。その結果、OUP-186とその誘導体が既存のH3Rアンタゴニストに見られない著しい乳癌の増殖抑制作用を持つことを見いだした。これらの成果は、Synthesis誌(2015)及びBioChem. Biophys. Res. Commun.(2016)に速報した。
|