研究課題
低分子医薬品と抗体医薬の利点を併せ持つペプチド医薬品は新たな創薬シーズとして注目を集めている。本研究では、ペプチドのヘリカル二次構造制御に関する研究、核内受容体-コアクチベータ結合阻害ペプチドに関する研究、プロテインノックダウン法による標的タンパク質分解誘導剤に関する研究、を併せることで、「安定化ヘリカルペプチドを用いた標的タンパク質の分解誘導剤の創製」を行うことを目的とした。研究期間内に、核内受容体を標的とした、転写活性化阻害ペプチド、および分解誘導ペプチドの開発に成功した。また、これらのペプチドを細胞内へ効率的に導入するための細胞膜高透過性ペプチドの開発にも成功した。
2: おおむね順調に進展している
核内転写活性化阻害能を示したペプチドPERM3-R7に、ユビキチンリガーゼリガンド(ベスタチン、BS)をコンジュゲートしたペプチドBS-PERM3-R7を設計、合成した。このペプチドは核内受容体(ER、AR、VDR)を分解誘導することを明らかとした。また、これらの活性ペプチドを細胞内へ効率的に導入するための細胞膜高透過性ペプチドの開発にも成功した。
本研究では、細胞内へ目的のペプチドを効率的に輸送できる膜透過ペプチドの開発も同時に行なっている。次年度、この輸送キャリアとして機能を持つペプチドの開発を精緻におこない、これまでに開発した標的タンパク質分解誘導ペプチドの活性向上に繋げたいと考えている。
当該研究テーマにおいて他の研究補助金も同時に使用していたため。
次年度は、活性ペプチドを細胞内へ効率的に輸送できるキャリアの開発と、それらを用いた高活性な標的タンパク質分解誘導ペプチドの開発を行う。助成金は、上記の研究を遂行するための消耗品として使用する予定である。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (15件) (うち査読あり 15件、 謝辞記載あり 8件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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