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2014 年度 実施状況報告書

一本鎖抗体VHHによる抗生物質医薬品リバイバル補助薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26460173
研究機関帝京平成大学

研究代表者

石田 功  帝京平成大学, 薬学部, 教授 (00415556)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード緑膿菌 / 一本鎖抗体 / 排出システム
研究実績の概要

本研究は、緑膿菌薬剤排出システムの排出口由来の部分ペプチドを合成し、アルパカに免疫して抗ペプチドVHH抗体クローンを取得して緑膿菌の菌体表面への結合、抗菌薬との相互作用の有無を調べることを目的としている。
平成26年度の研究で、緑膿菌薬剤排出システム排出口(OprM)由来Loop1および2ペプチドに対するVHH抗体(4P94および4P41)を取得することに成功し、これらが緑膿菌細胞表面に出ている排出口ループ部分に特異的に結合することを緑膿菌のWhole Cell ELISA法によって確認した。4P41VHH-3量体(抗体A=3個をリンカーを介して直列につなぐ、抗体B=抗体C末のZinc Fingerを介して3個束ねる)遺伝子デザインし、大腸菌に発現させた可溶性画分からHisTrapカラムを用いて部分精製した。PBS中の緑膿菌(PAO-1, PA04790, nalB, NCGM2.S1株)と部分精製抗体を混合して、37℃、1時間加温後にLBプレートに菌を播くコロニーアッセイを行った。コントロールバッファー、単量体VHH抗体、コントロールVHH抗体-4量体では、抗菌活性を示さなかったが、4P41VHH-3量体(抗体A、B)を加えると顕著な抗菌活性が観察されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

緑膿菌排出システム排出口(OprM)由来Loopペプチドに対して作製したアルパカ一本鎖抗体は、緑膿菌を用いたWhole Cell ELISAによって結合が確認された。この一本鎖抗体単量体はOprMの高発現株であるnalB株に対して、通常株PA04790株より多く結合することから、緑膿菌外膜表面上のOprMに結合している可能性が高いと思われた。本抗体の3量体を作製した。PBS中で本抗体3量体と混ぜて37℃、1時間のインキュベーション後に一部をアガープレートに播いてコロニーの出現をコントロールバッファー、抗体単量体、コントロール抗体4量体に比べて、非常に顕著のコロニー数の減少を観察しており、抗体自体に何らかの抗菌活性があるかも知れないと思われる。

今後の研究の推進方策

大腸菌で発現させ、HisTrapカラムで精製したVHH抗体3量体が未だ十分に精製出来ていないため、明確な結合が得られない状況となっている。
平成27年度は、HisTrapカラムと陽イオン交換カラムを組み合わせて、より精製した抗体サンプルを用いて再現性を見る。
本抗体の緑膿菌排出システム排出口由来ペプチドへの結合力(親和性が数100nM)が弱いため、可変領域に人工的変異をかけて、高親和性抗体を再度選択する実験を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

予定していた免疫実験(業者委託)について、抗原調製が間に合わず、次年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

本年度、上記実験費用に使用する予定。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Silica nanoparticle-induced toxicity in mouse lung and liver imaged by electron microscopy2015

    • 著者名/発表者名
      Isoda, K, Kondoh, M, Yoshioka, Y, Tsutumi, Y, Imazawa, T, Nishimura, T, Ishida, I and Yagi, K.
    • 雑誌名

      Fundamental Toxicological Science

      巻: 2 ページ: 19-23

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞死誘導抗体を分泌するビフィズス菌を利用したがん治療2015

    • 著者名/発表者名
      西川毅、平裕一郎、平郁子、斎藤浩美、磯田勝広、石田功
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸大学(兵庫県神戸市)
    • 年月日
      2015-03-25 – 2015-03-28
  • [学会発表] 10年先を見据えたテーマ発掘のノウハウ2014

    • 著者名/発表者名
      石田功
    • 学会等名
      技術情報協会セミナー
    • 発表場所
      技術情報協会(東京都品川区)
    • 年月日
      2014-07-17
    • 招待講演
  • [学会発表] 遺伝子組換え嫌気性菌による固形がん治療2014

    • 著者名/発表者名
      石田功
    • 学会等名
      Biotech2014アカデミックフォーラム
    • 発表場所
      東京ビッグサイト(東京都江東区)
    • 年月日
      2014-05-14 – 2014-05-16
  • [備考] 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

    • URL

      http://pharm.thu.ac.jp/research/grant.html

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公開日: 2016-05-27  

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