RSV肺炎の重症化には肺炎球菌が関与する、という知見を基にRSVマウス感染モデルを用いて不活化肺炎球菌の感染病態重症化の作用機序について、汎用難燃剤と比較して明らかにすることを目的とした。本研究ではホルマリン不活化肺炎球菌を用いたが、これによる明確なRSV肺炎の増悪化現象は認められなかった。むしろ不活化肺炎球菌の複数回の前投与により、感染初期における強い炎症抑制作用が見出され、肺におけるRSV増殖のピーク時においても有意なウイルス増殖抑制効果が認められた。これらの作用機序を解析することで、新たなRSV感染症対策に応用できる可能性が示された。
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