研究課題/領域番号 |
26460185
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
穐山 浩 国立医薬品食品衛生研究所, 食品部, 部長 (10260259)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 抗原感作性 / 樹状細胞 / 食品添加物 / エリスリトール / HLA-DR |
研究実績の概要 |
前年度までにヒト単球系細胞株から分化した樹状細胞を用いて抗原感作性評価法を確立した。本年度は、同評価法がハプテン抗原にも応用可能であるか検討するとともに、食品添加物の中でⅠ型アレルギーの発症報告があるエリスリトール等の低分子物質の抗原感作性の評価を行った。得られた成果は次の通りである:1.DNP-BSA の添加により,HLA-DR , CD86の発現量および IL-8 産生量が有意に増加した。BSA単体では変化は認められなかったことから、同評価法はハプテン抗原にも応用可能であることが示された。2.エリスリトール添加によりHLA-DR発現量およびIL-8産生量の増加が認められたことから、エリスリトールの抗原感作性が示唆された。一方、キシリトール添加では上記の変化は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は、前年度に確立した抗原感作性評価アッセイ系がハプテン抗原の評価にも応用可能であることを検討するとともに、食品添加物の抗原感作性について検討した。本研究の目標であった食品添加物への適用に関して一定の成果を得たことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
分化した樹状細胞を用いて、食品添加物及び医薬品添加物への適用について、各種サンプルを使用して検討を行う。抗原刺激に対する樹状細胞の細胞応答は各種抗原に対して異なることが予測されるため、本アッセイで確立した評価法(抗原取り込み能、抗原提示能、遊走能、およびケモカイン産生能)により各種抗原の抗原感作性を多面的に検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は概ね順調に進んでいるが、消耗品を予定価格より安かったこと、予定していた国内学会発表を取りやめたこと、また食品添加物等の試料の収集が遅れたことから十分に検討ができなかったことが原因と考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の研究費の使用計画は以下の通りである。1.細胞株を用いたin vitro評価試験法を実施するため、細胞培養に必要な消耗品を購入する。2.細胞表面抗原をフローサイトメトリー法により解析するため、各種抗体や試薬類を購入する。3.遺伝子発現の定量解析のため、分子生物学試薬や消耗品を購入する。4.サイトカインをELISA法で定量するため、抗体キットや試薬類を購入する。
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