研究課題
本研究の目的は、アキシチニブ、レゴラフェニブ及びレナリドミドの血中濃度と、臨床効果あるいは副作用との相関性を検討することである。すなわち無効域と治療域の境界線である「最小有効濃度(MEC)」、および治療域と副作用域の境界線である「最小中毒濃度(MTC)」を各々の薬剤において明確にすることであり、平成27年度は当初の予定通り以下の内容で進捗している。アキシチニブ、レゴラフェニブ及びレナリドミドの血中濃度は、それぞれ超高速液体クロマトグラフィ(UHPLC)、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)および液体クロマトグラフテンダム型質量分析計(LC-MS/MS)を用いて解析を進めている。アキシチニブは約30名の腎がん患者で血中濃度測定を進めており、研究計画通りである。レゴラフェニブはまだ消化器がん患者3名であり、現在UMINを用いて全国展開を開始している。レナリドマイドは多発性骨髄腫患者約200名の血中濃度を測定しており、これは当初の予定の150名を大幅に上回る患者数である。一方でCYP3A4*1G、CYP3A5、ABCB1、ABCC2、ABCG2、SLC22A1、SLCO1B1、SLCO1B3遺伝子多型をPCR-RFLP法で解析を始めており、血中濃度に影響を及ぼす薬物動態遺伝子多型の影響を検討していく。
2: おおむね順調に進展している
達成目標は、レナリドミドは150名の血中濃度測定を完了、随時、P-糖蛋白の遺伝子多型を解析することであり、これは目標以上の進捗状況である。レゴラフェニブは30名の血中濃度測定を完了し、随時、CYPやトランスポーターの遺伝子多型を解析する。患者数確保のため県内多施設共同臨床試験に広げることであり、これもサンプルサイズ確保のために全国展開に切り替えているため、予定通りである。アキシチニブは、30名の血中濃度測定を完了する。随時、CYPやトランスポーターの遺伝子多型を解析する。患者数確保のため、東北(弘前大、秋田大、東北大)多施設共同臨床試験に広げることである。これもすでに30名の目標数に到達している、
27年度の目標は、レナリドミドは200名の血中濃度測定を完了、随時、P-糖蛋白の遺伝子多型を解析する。レゴラフェニブ・アキシチニブは、50名の血中濃度測定を完了し、随時、CYPやトランスポーターの遺伝子多型を解析する。症例が集まらない場合、さらに施設を拡大し、全国からサンプルを受け入れるとしている。これについても現在進められており、遂行に問題ないと考える。
学会が2015年3月28日まであり、旅費が確定できなかったため、15340円の残となった。
消耗品として使用予定である
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J Clin Exp Hematop
巻: 54 ページ: 89-93
Ther Drug Monit
巻: 36 ページ: 505-9
10.1097/FTD.0000000000000034