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2017 年度 実績報告書

タクロリムス血中濃度測定に加えCYP3A5遺伝子多型解析を行う意味はあるのか?

研究課題

研究課題/領域番号 26460189
研究機関秋田大学

研究代表者

新岡 丈典  秋田大学, 医学部, 講師 (20722276)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードタクロリムス / エベロリムス / CYP3A5遺伝子多型 / TDM / 腎移植
研究実績の概要

タクロリムスの投与量で補正した血中濃度-時間曲線下面積(AUC/D)の個体間変動に及ぼす、CYP3A5遺伝子多型およびエベロリムスのAUC/Dの影響について検討した。エベロリムス導入後の定常状態における術後28日目(n=50)および術後1年目(n=31)のタクロリムスのAUC0-24/Dについて、CYP3A5遺伝子多型間の差、およびエベロリムスのAUC0-12/Dとの相関を解析した。CYP3A5遺伝子多型別で、タクロリムスのAUC0-24/DとEVLのAUC0-12/Dとの間に良好な正の相関が認められ、いずれのステージにおいても、エベロリムスのAUC0-12/Dの増加に伴うタクロリムスのAUC0-24/Dの増加率は、CYP3A5*1アレル保有者群と比較し、*3/*3群で有意に高かった(傾き:0.330 vs. 0.755、P=0.009、および、傾き:0.194 vs. 0.864、P=0.012)。また、タクロリムスのAUC0-24/Dは、CYP3A5*3/*3およびエベロリムスのAUC0-12/Dによって61.6%から63.3%で説明が可能であった。エベロリムスはCYP3A4およびP糖蛋白(P-gp)の基質となり、そのAUC0-12/DはCYP3A4/P-gpに影響を受ける。このためエベロリムスのAUC0-12/Dは、CYP3A4/5およびP-gpの基質であるタクロリムスのAUC0-24/D予測因子になり得たと考えられる。また本検討により、タクロリムスのAUC0-24/Dに及ぼすCYP3A5遺伝子多型の影響は、エベロリムスのAUC0-12/Dの値により異なることが判明した。CYP3A5*3/*3およびエベロリムスのAUC0-12/Dが高値を示す患者では、タクロリムスの投与量あたりの血中濃度が上昇するリスクが高いため、術後のタクロリムス誘発副作用発現に注意を要すると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Prediction of Tacrolimus Exposure by CYP3A5 Genotype and Exposure of Co-Administered Everolimus in Japanese Renal Transplant Recipients.2018

    • 著者名/発表者名
      Kagaya H, Niioka T, Saito M, Inoue T, Numakura K, Yamamoto R, Akamine Y, Habuchi T, Satoh S, Miura M.
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci

      巻: 19 ページ: E882

    • DOI

      10.3390/ijms19030882

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 腎移植患者におけるタクロリムス体内曝露量の個体間変動に及ぼすCYP3A5遺伝子多型およびエベロリムスの影響2017

    • 著者名/発表者名
      加賀谷 英彰、新岡 丈典、齋藤 満、井上 高光、沼倉 一幸、羽渕 友則、佐藤 滋、三浦 昌朋
    • 学会等名
      医療薬学会
  • [備考] 秋田大学医学部附属病院 薬剤部

    • URL

      http://di.hos.akita-u.ac.jp/index.html

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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