研究課題/領域番号 |
26460192
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 久允 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (10451858)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ABCトランスポーター / 胆汁うっ滞 / タンパク質分解 |
研究実績の概要 |
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症2型(progressive familial intrahepatic cholestasis type 2; PFIC2) は、小児難治性希少肝疾患であり、無治療の場合には、致死性の経過をたどる。研究開発代表者は、これまでの基礎研究から、PFIC2症例では、多くの場合、胆汁酸トランスポーターBile salt export pump (BSEP)の細胞膜発現量の低下に伴い、病態が進展することを見出している。また、尿素サイクル異常症治療薬であるフェニル酪酸ナトリウムに、BSEPの分解を抑制し、細胞膜発現量を増加させる作用があることも明らかにしている。さらに、以上の知見に基づき、PFIC2に対するフェニル酪酸ナトリウムの有効性、安全性を検証するため、PFIC2症例を対象とした探索的臨床研究を行い、当該疾患症例の生化学検査値、肝病理組織像が本薬剤の服用により改善することを見出している。 今年度は、フェニル酪酸ナトリウムに比して高活性の肝内胆汁うっ滞症治療薬の開発を指向し、BSEPの分解に関わる分子群を探索した。また、BSEP以外の疾患と関連するABCトランスポーターに関しても、その分解抑制が、各疾患の治療に繋がるかについて検証を開始した。具体的には、機能低下がアテローム性動脈硬化症、アルツハイマーなどのリスクとなることが報告されているABCA1を対象とし、当該分子の分解に関わる分子群の探索、同定を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BSEP、ABAC1の分解に関わる分子群の探索、同定を進めている。一部の分子に関しては、既に遺伝子改変動物を作出し、当該分子の疾患に対する影響をin vivoレベルで解析している。
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今後の研究の推進方策 |
BSEP、ABCA1など、疾患関連ABCトランスポーターの分解に関わる分子機構を明らかにすることにより、各疾患の創薬標的を探索する。また、各創薬標的分子の遺伝子改変動物を作出し、当該分子の創薬標的としての適正を評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、各ABCトランスポーターの分解に関わる分子群の同定に向け、主に研究実施計画の練り直しに時間を要したため、実験に関する物品費の支出が当初予定より少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に立案した研究実施計画に順じて、主に物品費として使用する。
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