進行性家族性肝内胆汁うっ滞症2型(PFIC2)は、ABCトランスポーターであるBSEPの先天性機能低下により発症する難治性肝疾患である。本研究では、研究代表者の基礎研究成果に基づき、PFIC2に対する、フェニル酪酸ナトリウム(NaPB)の有効性、安全性を検証する臨床研究を実施した。その結果、NaPBが、PFIC2の生化学検査値、肝組織病理像を改善することを確認した。 NaPBの本薬効発現には、BSEPの分解抑制作用が関与することから、BSEPの分解に関わる分子機構の解析を進め、当該機構に関わる分子群を複数同定した。また、他のABCトランスポーターの分解機構の一端を明らかにした。
|