研究課題/領域番号 |
26460202
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
内田 信也 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (80372522)
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研究分担者 |
今井 浩光 大分大学, 医学部, 准教授 (30398250)
乾 直輝 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80402254)
小田切 圭一 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (70529213)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | シトクロムP450 / カクテル試験 / 薬物相互作用 / 臨床試験 |
研究実績の概要 |
現在までのカクテル試験についての報告では、①カクテル試験を用いて実際に併用薬によるCYP活性変動の評価、ならびに②カクテル薬投与時とCYP基質薬単剤投与時との活性変動の程度の比較、についての情報が少ない。そこで本研究では、信頼性および汎用性の高いカクテル試験を確立することを目的とした。 これまでに、カクテル試験を確立するために、健康成人男性を対象にカクテル薬としてカフェイン(100 mg)、ロサルタン(25 mg)、オメプラゾール(20 mg)、デキストロメトルファン(30 mg)及びミダゾラム(15 microg/kg)を経口投与し、8時間後まで経時的に採血した。さらにシトクロムP450(CYP)阻害薬(シメチジン及びフルボキサミン)及びCYP誘導薬(リファンピシン)の影響について検討した。これらの既知のCYP阻害薬及び誘導薬によるCYP活性変動作用は、これまで単独のCYP基質を用いた報告とほぼ同程度のものであった。 さらに文献検索により得られた5種のCYP基質薬の単剤投与時におけるCIM、FLVないしRFP併用時のCYP活性変動の程度(AUC変動率)を、カクテル試験の結果と比較した。その結果、CafとCIM、LosとRFPまたはCIM、OmeとFLV、MidとRFP、CIMまたはFLVの組み合わせにおいて、文献報告によるAUC変動率とカクテル試験の値について明らかな正の相関が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
浜松医科大学および静岡県立大学の倫理委員会の承認を受けた。文献検索によっても情報の得られなかった単独のCYP基質を用いた試験結果についての臨床試験を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査及び検討により、現状のカクテル試験(Inje法)の確立には①既知のチトクロームP450(CYP)阻害薬及び誘導薬の影響を検出できること、並びに②それらの影響が単独の基質投与後の試験結果と同一になること、を明らかにする必要があることが分かった。そこで、系統的文献レビューを行い基質単剤投与試験の結果を調査する。さらに文献報告のない組み合わせについて新たな臨床試験を行う。それらの結果とカクテル試験の結果と検討することで、本試験法の確立を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在臨床試験が継続しており、被験者費等の費用が翌年度発生することが予想されるため。
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次年度使用額の使用計画 |
主に被験者費用及び血中濃度測定経費として、翌年度分の助成金とあわせて使用する。
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備考 |
田中紫茉子: 第36回日本臨床薬理学会学術集会 優秀演題賞
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