本研究で私たちは、難病である肺高血圧症患者の臨床データベースを作成し、臨床的解析を行うとともに、患者遺伝子を用いて薬物代謝に関連する231 遺伝子上の1,936 の遺伝子多型・変異を網羅的に検出した。肺高血圧症治療薬として汎用されるボセンタンの副作用である肝機能障害について臨床データと遺伝子解析結果を統計学的に解析した結果、2つの遺伝子の多型がボセンタンに伴う肝機能障害の発生に有意に相関することを明らかにし、ボセンタンによる肝機能障害を予測するモデルを構築した。これらの成果は、肺高血圧症患者における個別化医療に貢献することが期待される。
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