研究課題/領域番号 |
26460216
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 宏樹 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80451855)
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研究分担者 |
澤田 康文 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80114502)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 副作用 / 相互作用 / 地域薬局 / 市販後情報収集 |
研究実績の概要 |
《1》【薬局薬剤師による副作用・相互作用情報収集システムの構築】ウェブサーバー上に構築したデータベースに、ウェブブラウザインターフェースを介して、薬局薬剤師が日常業務で作成した薬歴簿の情報をもとに、副作用・相互作用情報を入力できるシステムを構築した。データベースの入力項目として、【患者に関する情報】年代、性別、被疑薬、何が起こったか?(患者の訴えなど)、どうなったか?(経過など)等【薬剤師による付加情報】重篤度、添付文書記載の有無、メーカー報告の有無、医師への疑義照会、併用薬、副作用因果関係(Naranjo)、相互作用因果関係(DIPS)、副作用報告の有無等を設けた。 《2》【副作用・相互作用情報の収集】地域薬局チェーン(68 店舗、薬剤師約 400 名)の協力の下、通常業務の服薬指導で得られた副作用や相互作用の症状に関連した情報を《1》で構築したデータベースに入力してもらった。本年度は 1,312 例を収集することができた。 《3》【副作用・相互作用情報の集計・解析】《2》で収集した副作用の症状としては、悪心、傾眠、発疹の順に報告数が多かった(MedDRA/J の PT(基本語)で分類)。被疑薬としては、精神神経系作用薬、循環器系作用薬、呼吸器系作用薬の順に報告数が多かった(ATC 分類に基づく)。 以上、本研究で構築した収集システムは、地域薬局において把握された副作用・相互作用情報を収集するのに適したシステムであると考えられた。なお、《1》《2》は、本学薬学系研究科における倫理審査委員会の承認を受けて実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初想定していた報告数にほぼ近い報告数が得られたことから、副作用・相互作用情報の収集に関しては、概ね順調に進展している。一方、副作用・相互作用情報の解析に関しては、報告された症状の一般化(MedDRA/J などを用いた用語の変換・統一)に想定よりも時間がかかり、一部の解析を次年度に行う必要が生じたため、やや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
副作用・相互作用情報の収集を引き続き行っていくが、実際に使用している薬局薬剤師から意見を聴取し、より使いやすいシステムへの改善を目指す。収集した情報についても、引き続き、特徴的な副作用・相互作用を抽出し、医薬品との因果関係の評価や、処方医薬品からの副作用・相互作用発現の予測可能性などを解析する。さらに、解析結果を踏まえ、因果関係評価のために必要なアルゴリズムの改変もしくは新規構築を行い、地域薬局においてより一層活用可能な因果関係評価法とすることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
報告された副作用・相互作用情報を整理するために、薬剤師免許所有者を雇う予定であったが、適する人物を探すのに手間取り、本年度の謝金の支出がなかった。また、本年度中に一部、システムの改変を予定していたが、システム会社および使用薬剤師ともに負担が少ないと考えられたため、次年度の改変とあわせて実施することとしたため、改修費を次年度に使用することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
報告された副作用・相互作用情報を整理するための薬剤師免許所有者については、既に適する人物が見つかっているため、実施時間を拡大することで今年度使用予定であった謝金も使用する予定である。本年度中に実施予定であったシステムの改変に関わる費用については、翌年度に実施を予定している改修とあわせて使用する予定である。
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