研究課題/領域番号 |
26460228
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
菊池 千草 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (20444987)
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研究分担者 |
梶栗 潤子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (10444986)
鈴木 匡 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (20555081)
今枝 憲郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30347398)
松永 民秀 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40209581)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 性差 / 糖尿病 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
閉経前女性の心血管疾患発症率は男性より著しく低い.これには女性ホルモンの関与が考えられている.しかし,糖尿病を発症すると女性の優位性が消失することが知られている.糖尿病になることで,女性は男性とは異なる血管の変化が生じていることが考えられている.女性の心血管病が予後不良な理由として,冠動脈が解剖学的に細いこと,閉経後の肥満,健康診断を受ける機会が少なく発見が遅れることなどが考えらえている.しかし,女性糖尿病患者の血管障害のメカニズムは十分に明らかにされておらず,性差を考慮した治療が実施されるには至っていない. 本研究の目的は,モデル動物を用いた血管における活性酸素産生増加についての検討と,ヒトの酸化ストレスと生活習慣の調査により,糖尿病による血管障害発症メカニズムの性差と,生活習慣による危険因子を明らかにし,心血管病治療と予防方法開発につなげることである. 糖尿病モデル動物はStreotozocin(STZ)をSprague-Dawley(SD)ラットに投与して作製した.活性酸素産生量の測定は化学発光法とdihydroethium染色にて行った.糖尿病モデル動物動脈の形態学的変化はヘマトキシリンエオシン染色にて、炎症マーカーについては免疫染色にて実施した.12週齢のラットを解析したところ,糖尿病モデル動物では,活性酸素産生量が増加しており,動脈に炎症が起こっていた.一方,形態学的な変化は認められなかった. ヒトの生活習慣については,アンケートを作成した.アンケートの調査内容は,健康診断受診の有無,菓子やジュースの習慣,運動習慣,余暇,睡眠,育児,介護,ストレスについてである.希望者にはHbA1cの測定も行った.現在回収済みのアンケート数は男性5名,女性40名である.現在解析を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①糖尿病モデル動物における大血管活性酸素種産生増加機序の性差の解明 現在12週齢について解析を進めている.酸化ストレス、炎症、形態学的変化については確認できた.エストロゲン,eNOS,BH4についての解析については検討中である.また,12週齢以降については,準備中である.
②糖尿病患者の酸化ストレスと生活習慣の性差の解明 女性については順調に症例が収集できている。男性の症例については,不十分である.また,女性は年齢が様々であるが,男性は年齢が65歳以上と偏っている.幅広い年齢の男性のアンケートを回収するための工夫を現在検討中である.
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今後の研究の推進方策 |
①糖尿病モデル動物における大血管活性酸素種産生増加機序の性差の解明 12週齢以降のラットについて解析を行う.また,エストロゲン,eNOS,BH4についての解析を実施する.
②糖尿病患者の酸化ストレスと生活習慣の性差の解明 アンケートの実施を進める.特に男性の症例を集めるように進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
糖尿病モデル動物における大血管活性酸素種産生増加機序の性差の解明に関しては,高齢ラットの解析が進んでいないこと,エストロゲン,eNOSについての解析が進んでいないことが理由である.糖尿病患者の酸化ストレスと生活習慣の性差の解明に関しては,アンケートの回収が十分に進んでいないことが理由である.
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品費として,一般試薬類,各種抗体,動物購入費を使用する.ヒトの酸化ストレスマーカーの測定キットの購入に使用する.また、性差があることが判明しているアディポネクチンの測定も新たに検討するため,キットの購入に使用する.
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