P-糖タンパク質(Pgp)の発現に差がある細胞を用いて、DNAマイクロアレイやタンパク質の網羅的解析を行い、がんの悪性化に関与しているNrf2及びKeap1について調べた。その結果、Pgpの発現が強いと、Keap1の発現は減少していた。Nrf2は、膜・オルガネラにおいてKeap1と同様に減少し、核では増加していた。一方、Pgpの発現が弱いと顕著にKeap1の発現が増加した。一般的にNrf2はKeap1と細胞質に共存しているが、K562細胞においては、Nrf2の細胞質での存在が確認されなかった。このことから、Pgpの発現にはKeap1-Nrf2制御系と新たな因子が存在する可能性が示唆された。
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