起壊死性抗がん剤である微小管機能阻害薬の血管外漏出によりしばしば認められる重篤な皮膚傷害のメカニズムを明らかにし,皮膚傷害の適切な予防とケアについて検討した。ヒト由来の培養細胞を用いた研究により,曝露初期から認められる急性期の細胞傷害には,酸化的ストレスと微小管の断片化による細胞骨格の崩壊が関与すると考えられた。冷罨法(23℃)に相当する培養条件下では細胞傷害性は有意に抑制された。副腎皮質ホルモン剤を添加することによりIL-6の発現が抑えられ炎症反応の抑制が期待されるが,ステロイド剤そのものにも細胞傷害性が出現するため,適正な用量のコントロールが必要であることが明らかとなった。
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