我々はこれまでにヒト絨毛がん細胞株(JEG3)を用いてin vitro医薬品胎児移行性評価系を構築してきたが、さらに妥当性を検証する必要があった。今回、生体内をよりよく反映するモデル構築のために、人工多能性幹(iPS)細胞が胎盤様細胞へと分化すること、および収率を検討した。高濃度Bone Morphogenetic Protein 4 (BMP4)刺激によって胎盤指標であるhCG分泌能は著しく上昇することが確認できたが収率に問題があった。BMP4未処理のRetinoic acid (RA)刺激群のhCG分泌能も顕著に増加しており、RA刺激によって効率よく胎盤様細胞を得られる可能性が示唆された。
|