研究課題/領域番号 |
26460243
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
伊藤 吉將 近畿大学, 薬学部, 准教授 (50128633)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 貼付型眼瞼透過型製剤 / レボフロキサシン / ナノ粒子 / 界面活性剤 / 薬物安定性 / 抗菌薬 / アクリル酸ポリマー / 家兎 |
研究実績の概要 |
広範囲な眼抗菌療法の確立及び使用時の煩雑性改善を可能とする「ナノ結晶を用いた貼付型眼瞼透過性製剤“貼る目薬”」の開発を目指すべく、平成26年度は抗菌薬レボフロキサシンナノ結晶を含む貼付型眼瞼透過性製剤法の製造法について検討した。
1)レボフロキサシンのナノ結晶調製法を確立する:界面活性剤(ソディウムドキュセート)、ベンザルコニウム塩化物、セルロース及びシクロデキストリンを添加剤として用い、ビーズミル法により乾式及び水中破砕を行うことで、安定な分散性及び粒子状態を有するレボフロキサシンナノ結晶分散液の調製方法を確立した。さらにこれらレボフロキサシンナノ結晶分散液は、レボフロキサシン溶液と比較し分解性が低いことを明らかとした。 2)レボフロキサシンナノ結晶含有ゲルパッチの作成:アクリル酸ポリマーを基剤とすることで、上記1)で作成したレボフロキサシンナノ結晶分散液を含む眼瞼適用ゲルパッチを作製した。これらゲルパッチは皮膚への傷害性が低く、長時間使用可能であることを明らかとした。 3)レボフロキサシンナノ結晶含有ゲルパッチからの薬物放出性評価:ウサギ眼瞼皮膚を設置したフランツ型拡散セルを用い、眼瞼適用ゲルパッチからの薬物放出性を評価したところ、実験開始直後から直線的な放出が認められることを明らかとした。 以上、レボフロキサシンナノ結晶含有ゲルパッチの作成法を確立した。さらに、これら製剤は高い薬物放出を示す事ことを明らかとした。来年度は、今回作成したレボフロキサシンナノ結晶含有ゲルパッチ貼付後の眼組織・涙液移行性について評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レボフロキサシンナノ結晶含有ゲルパッチの調製法を確立した。さらに、これらゲルパッチ製剤は安定であり、薬物放出性も十分であることが確認できた。これにより来年度には、レボフロキサシンナノ結晶含有ゲルパッチ貼付後の眼組織・涙液移行性を把握することができると考える。また、レボフロキサシンナノ結晶含有ゲルパッチ貼付による抗菌力の評価についても検討可能である。さらに、角膜・皮膚刺激性を確認や既存の点眼製剤及び眼軟膏との比較についての確認も容易に可能である。これら新規ナノ粒子含有貼付型眼瞼透過性製剤の確立及び評価結果は、これまでの点眼製剤と比較し非常にユニークな特性を示しており、本年度の研究が順調に進展していることを示している。
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今後の研究の推進方策 |
日本白色種家兎の眼周辺部を除毛後、今回作成したナノ粒子含有貼付型眼瞼透過性製剤を貼付し、経時的に涙液・房水中レボフロキサシン濃度の測定を行う。また、家兎瞼を摘出し、フランツ型透過セルを用いたin vitro薬物透過性及び滞留性についてについて明らかとする。これにより本年度作成したゲルパッチの貼付後の薬物動態を明確に評価する予定である。また、本製剤の皮膚、角膜傷害性や薬効等、より実践的な評価も行っていく予定である。
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