各種の人免疫グロブリン製剤を用いて、含まれる凝集体・多量体含量、及び各種ストレスによる凝集体のできやすさを評価し、製剤に含まれる分子の特性と凝集体の関連を調べた。酸性条件下で撹拌により生じた凝集体に含まれる分子種についてLC/MSによるペプチドマッピングをおこなったところ、溶液中及び凝集体中の糖鎖プロファイルには大きな差は認められなかったものの、凝集体中ではIgG4の割合が増加していることが明らかになった。以上の結果から、免疫グロブリン製剤に含まれるIgGの各サブタイプのうちIgG4が最も凝集体を生じやすいこと、凝集には糖鎖構造以外の構造及び物理的化学的性質が関わっていることが示唆された。
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