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2016 年度 実績報告書

生理的リンパ管・静脈吻合の形成機構と機能的意義

研究課題

研究課題/領域番号 26460253
研究機関神戸大学

研究代表者

平島 正則  神戸大学, 医学研究科, 准教授 (40383757)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードマウス / 遺伝子変異 / 発生 / リンパ管
研究実績の概要

これまでの解析で、重度の浮腫を呈するAspp1-/-マウスにおいて生理的リンパ管・静脈吻合不全と頸部リンパ管の著明な拡張を見出した。末梢組織内に非侵襲的リンパ管・静脈吻合を形成するPlcg2-/-マウスとの交配を行ったところ、胎生16.5 日目までにAspp1-/-;Plcg2-/-マウスが致死となることが明らかになった。このことは、胎生期において末梢組織内にリンパ管・血管吻合を作製しても、Aspp1-/-マウスの病態は改善するどころか悪化してしまうこと示している。致死となる原因を明らかにするために胎生15.5日目の胎仔の解析を試みたが、Aspp1+/-;Plcg2+/-マウスの雌雄の交配からAspp1-/-;Plcg2-/-マウスが得られる確率は16分の1であり、これまでにAspp1-/-;Plcg2-/-マウスを十分解析できていない。また、新規ガイダンス分子セマフォリン3G(Sema3G)が生理的リンパ管・静脈吻合の形成に果たす役割を明らかにする目的でSema3G-/-マウスを解析したが、生理的リンパ管・静脈吻合に異常は認めなかった。一方で、Sema3G-/-マウス胎仔皮膚を血管とリンパ管内皮細胞、平滑筋細胞のマーカーでホールマウント染色し、フラットマウント標本を作製して共焦点レーザー顕微鏡で解析したところ、リンパ管が動脈と異常に近接してランダムなリンパ管網が形成されない表現型を見出した。さらに、膜受容体PlexinD1欠損マウスでも同様の表現型が見られること、PlexinD1はSema3Gに直接結合する受容体Nrp2と複合体を形成してシグナルを伝えることを明らかにした。Sema3Gは動脈内皮細胞特異的に発現する分子であり、PlexinD1陽性リンパ管内皮細胞が動脈上を遊走した後で、動脈から離れてランダムな分布をする際に作用する反発分子であることが明らかになった。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] シンシナチ小児病院(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      シンシナチ小児病院
  • [国際共同研究] トロント小児病院(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      トロント小児病院
  • [国際共同研究] シンガポール国立大学(シンガポール)

    • 国名
      シンガポール
    • 外国機関名
      シンガポール国立大学
  • [雑誌論文] Semaphorin 3G provides a repulsive guidance cue to lymphatic endothelial cells via Neuropilin-2/PlexinD1.2016

    • 著者名/発表者名
      Liu X, Uemura A, Fukushima Y, Yoshida Y, Hirashima M.
    • 雑誌名

      Cell Rep

      巻: 17 ページ: 2299~2311

    • DOI

      10.1016/j.celrep.2016.11.008.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Flt1/VEGFR1 heterozygosity causes transient embryonic edema.2016

    • 著者名/発表者名
      Otowa Y, Moriwaki K, Sano K, Shirakabe M, Yonemura S, Shibuya M, Rossant J, Suda T, Kakeji Y, Hirashima M.
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 6 ページ: 27186

    • DOI

      10.1038/srep27186.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] リンパ管パターニングに関わるSemaphorin/Plexinシグナル2017

    • 著者名/発表者名
      平島正則
    • 学会等名
      第122回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      長崎大学坂本キャンパス(長崎県長崎市)
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30
    • 招待講演
  • [学会発表] Semaphorin 3G provides a repulsive guidance cue from arteries to Plexin D1+ lymphatic endothelial cells in mouse embryonic skin.2016

    • 著者名/発表者名
      Liu X, Uemura A, Fukushima Y, Yoshida Y, Hirashima M.
    • 学会等名
      第24回日本血管生物医学会学術集会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール(長崎県長崎市)
    • 年月日
      2016-12-08 – 2016-12-10
  • [学会発表] リンパ管パターニングに関わるSemaphorin/Plexinシグナル2016

    • 著者名/発表者名
      平島正則
    • 学会等名
      第40回日本リンパ学会総会
    • 発表場所
      東京大学 伊藤国際学術研究センター(東京都文京区)
    • 年月日
      2016-06-24 – 2016-06-25
    • 招待講演
  • [備考] 研究代表者研究室ホームページ

    • URL

      http://www.med.kobe-u.ac.jp/vascul/

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公開日: 2018-01-16   更新日: 2022-02-16  

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