DGKε遺伝子欠損(KO)マウスを高脂肪食で40日間給仕すると、急激な脂肪沈着および耐糖能異常が認められた。組織学的解析の結果、DGKε―KOマウスの脂肪細胞は野生型マウスよりも大型化していることが明らかとなった。DGKε欠損脂肪細胞では、ウェスタンブロット解析により中性脂質分解酵素の発現が低下しており、その結果、脂質沈着量が増大し、個体レベルで肥満を呈する可能性が考えられた。さらに、DGKε―KOマウスではプロテインキナーゼC(PKC)の活性化が生じていた。PKCはインスリンシグナルを障害することが知られ、この結果としてDGKε―KOマウスでは耐糖能異常が生じていると考えられた。
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