研究課題/領域番号 |
26460268
|
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
依藤 宏 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00158544)
|
研究分担者 |
村上 徹 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10239494)
多鹿 友喜 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90400738)
上野 仁之 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30586251)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 骨格筋 / シネミン |
研究実績の概要 |
まず初めに、以前当研究室でラットシネミンのC末ドメインを抗原として作成した抗ラットシネミン抗体(Hijikata et al., J. Cell Sci. 2008)がマウスにも使用できるかどうかの評価をおこなった。野生型マウスとシネミンノックアウトマウスの長指伸筋及びヒラメ筋を用いてウエスタンブロッティングを行ったところ、野生型マウス骨格筋ではシネミンと思われる140kDaのバンドが検出されたが、シネミン欠損型マウスではこのバンドは検出されなかった。また野生型マウス骨格筋では、この抗体を用いた免疫沈降法によりシネミン自身とともにデスミンが共沈降し、シネミンとデスミンがコ・ポリマーを形成していることが確認できた。しかし、3%PFAで固定した下腿後部骨格筋(ヒラメ筋、腓腹筋、足底筋)の蛍光抗体染色ではバックグラウンドが高く、シネミン欠損型と比べて野生型マウスに特異的な染色は確認できず、PFA固定条件下での使用は難しいことが明らかになった。 また、いままでの研究で、シネミン欠損型マウスでは野生型と比較して持久力が低下し、ヒラメ筋における筋線維型の構成が変化していることを明らかにしてきた。そこで持久力低下の原因を調べるため骨格筋及び心臓の重量に変化が見られるかどうかを調べた。野生型及びシネミン欠損型マウスを3匹ずつ用い心臓、前脛骨筋、長指伸筋及びヒラメ筋の重量を測定した。結果としてはいずれの重量にも有意な差を認めることはできなかった。 α-アクチニン3のノックアウトマウスは野生型に比べ筋力が低下していることが知られている。そこでシネミン欠損型マウスにおいてα-アクチニン3の発現量に変動があるかどうかをウェスタンブロッティング法で調べた。結果としては、前脛骨筋及び長指伸筋においてはα-アクチニン3の発現量の有意な変化は認められなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゼブラフィッシュでの解析を除き、概ね研究計画書に記載の実験はおこなうことができた。但し、問題点としてはポジティブな研究結果が少ない点である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画書に記載のノックアウトマウスにおける 1)骨格筋筋線維型に関する解析、2)心筋における解析 を今後継続しておこなっていく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
消耗品費が予想以上にかかり、年度末に開催された学会の旅費が残額では足りず、他の経費から支出した。その為、残金としての次年度使用額35,930円が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
繰越額は次年度の消耗品費に充当する予定である。
|