• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

中間径フィラメント蛋白シネミンの機能解明のための形態学的・分子細胞生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26460268
研究機関群馬大学

研究代表者

依藤 宏  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00158544)

研究分担者 村上 徹  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10239494)
多鹿 友喜  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90400738)
上野 仁之  群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30586251)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード骨格筋 / 細胞骨格タンパク / シネミン
研究実績の概要

いままでの研究でシネミンノックアウトマウスでは10-12ヶ月のマウスで持久力が有意に低下しており、骨格筋の速筋・遅筋の線維構成が変化していることを明らかにしてきた。
今回、筋線維の構成に関わる蛋白質の発現を調べるためにウエスタンブロット法により、骨格筋の線維構成に関係することが知られている alpha-actinin (ACTN) のアイソフォームの一つであるACTN3の蛋白質発現を調べた。これまでの研究ではsyneminの結合蛋白質の発現量には変化が見られなかったが、今回の検討でヒラメ筋ではACTN3の蛋白質発現量が減少していることが明らかになった。以前の研究でsyneminはACTN2と直接結合することが知られていた(Bellin et al., 2001)が、ACTN3についてはまだ調べられてはいない。
そこでsyneminとACTN3の関係を調べるために、免疫沈降法による共精製が可能かどうかを確認した。その結果、syneminはanti-ACTN3の抗体で共精製されることが分かった。このことによりsyneminとACTN3は複合体を形成している可能性が示唆された。
また、EGFPを結合したsyneminとtag-RFPを結合したACTN3の遺伝子を作製して分化前の筋芽細胞株C2C12に形質導入した。共焦点レーザー顕微鏡でそれぞれの局在を観察したところ、syneminとACTN3は高確率で共局在していることが明らかになった。
さらにsyneminとACTN3が直接結合する可能性を考えGST プルダウン法による共精製を計画した。現在、GSTのついたsyneminとHis-tagのついたACTN3の作製は完了し、大腸菌に発現させる条件と精製する条件を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画から変更はあったものの、ACTN3の発現変化の発見により、筋原線維の変化に関与する分子メカニズムの解明に進展があった。

今後の研究の推進方策

(1)syneminとACTN3の結合能を調べるため、GST プルダウンアッセイを行う。また、結合する場合は結合部位の特定も行う。
(2)WTとKOマウスの経時的な筋線維の構成変化を観察する。現在、10-12ヶ月のマウスを観察しているが、生後4週間及び8週間についても観察する。
(3)EGFP/tag-RFPを結合したそれぞれの蛋白質についてC2C12の分化後の局在を確認する。
(4)syneminは肝臓の伊東細胞に発現することが知られているが、その機能は明らかではない。人工的肝壊死・線維化モデルを作成し、WTとKOマウスで差が出るかどうかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

動物実験施設の改修(改修後はバイオリソースセンターと改称)にともない、一時的にノックアウトマウスを飼育していた場所から、改修後の建物に搬入するにはマウスの微生物クリーニングが必要となった。その為にマウスの飼育規模を大幅に縮小することになり、飼育に要する費用が大幅に減額となって、余剰金がでた。

次年度使用額の使用計画

繰越額は次年度の消耗品費の一部に充当する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Filamentous structures in skeletal muscle: anchors for the subsarcolemmal space.2015

    • 著者名/発表者名
      Khairani AF, Tajika Y, Takahashi M, Ueno H, Murakami T, Soenggono A, Yorifuji H
    • 雑誌名

      Medical Molecular Morphology

      巻: 48 ページ: 1-12

    • DOI

      10.1007/s00795-014-0070-3

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Organization of organelles and VAMP-associated vesicular transport systems in differentiating skeletal muscle cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Tajika Y, Takahashi M, Ueno H, Murakami T, Yorifuji H.
    • 雑誌名

      Anatomical Science Inttional

      巻: 90 ページ: 33-39

    • DOI

      10.1007/s12565-014-0266-6

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] A cadaveric study of the cervical nerve roots and spinal segments.2015

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi R, Iizuka H, Nishinome, M, Iizuka, Y, Yorifuji, H, Takagishi, K
    • 雑誌名

      European Spine Journal

      巻: 24 ページ: 2828-2831

    • DOI

      10.1007/s00586-015-4070-3

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of human cytomegalovirus replication in primary cultured human corneal endothelial cells.2015

    • 著者名/発表者名
      Hosogai, M, Shima, N, Nakatani, Y, Inoue, T, Iso, T, Yokoo, H, Yorifuji, H, Akiyama, H, Kishi, S, Isomura, H.
    • 雑誌名

      British Journal of Ophthalmology

      巻: 99 ページ: 1583-1590

    • DOI

      10.1136/bjophthalmol-2014-306486

    • 査読あり
  • [学会発表] 中間径フィラメントSyneminの欠損による骨格筋の変化2016

    • 著者名/発表者名
      上野仁之、佐藤真人、池澤麻衣子、多鹿友喜、村上 徹、依藤 宏
    • 学会等名
      第121回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      ビッグパレットふくしま(福島県郡山市)
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-30
  • [学会発表] 新生仔マウスの全身3D形態解析法2016

    • 著者名/発表者名
      多鹿友喜、村上 徹、池澤麻衣子、上野仁之、依藤 宏
    • 学会等名
      第121回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      ビッグパレットふくしま(福島県郡山市)
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-30
  • [学会発表] Visible Fish Danio rerio2016

    • 著者名/発表者名
      村上 徹、多鹿友喜、上野仁之、池澤麻衣子、依藤 宏
    • 学会等名
      第121回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      ビッグパレットふくしま(福島県郡山市)
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-30
  • [学会発表] Serial block-face imaging system for both 3D morphology and section histology.2015

    • 著者名/発表者名
      Yuki Tajika, Tohru Murakami, Maiko Takahashi, Hitoshi Ueno, Hiroshi Yorifuji
    • 学会等名
      2015 American Society For Cell Biology Meeting
    • 発表場所
      アメリカ サンジエゴ
    • 年月日
      2015-12-12 – 2015-12-16

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi