中間径フィラメント蛋白の一つであるシネミンについて、その機能の解明を目指し、骨格筋と肝臓で分子細胞生物学的解析をおこなった。骨格筋では筋の分化に関与するアクチニン3(ACTN3)との関係を調べた。免疫沈降法と共発現の形態学的観察から両者間の結合が明らかになった。シネミン欠損マウスではACTN3の発現増強と筋持久力低下が認められるが、その機序解明が今後の課題である。肝臓ではシネミンは星細胞に局在している。星細胞は実験的肝線維化への寄与が知られており、今回の研究でシネミン欠損マウスでは肝線維化が抑制される事が明らかになった。今後、シネミンの発現制御により肝線維化の予防や治療への応用が期待される。
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