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2014 年度 実施状況報告書

神経分化早期過程に及ぼすヒト21番トリソミーの作用

研究課題

研究課題/領域番号 26460275
研究機関鳥取大学

研究代表者

平塚 正治  鳥取大学, 医学部, 助教 (00362872)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード遺伝子発現モニター / 神経分化誘導 / 人工染色体
研究実績の概要

今年度、追加としてDS-iPS細胞3株およびヒトES細胞1株について無血清凝集浮遊培養法(SFEBq法)により神経前駆細胞への分化誘導を行ったところ、DS-iPS細胞1株のみ継代可能なニューロスフェアーを形成した。残り3株は凝集体を形成したものの継代培養により細胞接着が弱まりニューロスフェアーとして樹立出来なかった。これまでのところで、DS-iPS細胞から4株、正常iPS細胞から4株、人工トリソミー細胞から2株、ヒトES細胞から1株、神経前駆細胞クローンを樹立できたことになる。樹立出来なかった株については、凝集体形成時の細胞密度の検討を行うこととした。
樹立できたニューロスフェアーのうち、DS-iPS由来の1株と正常iPS由来の1株について神経分化能を検討した。ラミニン/フィブロネクチンコートしたスライドチャンバーを用いた接着培養系において、SHHの有無により、それぞれNKX2.1陽性細胞、PAX6陽性細胞が高頻度に検出されたことから、これらニューロスフェアーは腹側化因子SHH応答性を有することが確認できた。
分化モニターシステムとしては、ヒトNKX2.1あるいはNKX2.2遺伝子を持つBACクローンからBACエンジニアリングによりNKX2.1発現調節領域60kbを含むNKX2.1::tdTomato、NKX2.2発現調節領域56kbを含むNKX2.2::EGFPベクターを構築し、21HAC1ベクターに搭載することに成功した。現在はそれぞれを単独でHACベクターに搭載したのみであるが、次段階として、双方を1つのHACベクターに搭載させる。モニターシステムを導入したニューロスフェアーを、腹側終脳域における神経前駆細胞に分化させ、21トリソミーが及ぼす作用を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ES/iPS細胞から神経前駆細胞への分化誘導において、DS-iPS株2株およびヒトES細胞株1株からは継代可能なニューロスフェアーを作製することができなかった。これらの株も全て三胚葉分化能等の多能性を示すことから、21トリソミーに起因するものとは考えにくく、誘導条件の最適化が必要であると推察された。
また、樹立できた株の分化誘導についても、詳細なマーカーの検索は未達であり、今後早急に介在神経やオリゴデンドロサイトへの分化能を検証する必要がある。
分化モニター系については、ほぼ計画通り進められたが、神経前駆細胞での検証が肝要であり、この点についても早急な検討が必要と考えられる。

今後の研究の推進方策

分化モニターHACを完成させることをまず優先し、完成次第、このHACを導入した神経前駆細胞クローンを用いた解析を実施する。蛍光マーカーを指標として分化能を測定すると共に、ソーティングにより集めた細胞集団の特徴付けを行うことにより、クローン間の元々の性質のばらつきを除いた解析を進める。

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公開日: 2016-05-27  

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