研究実績の概要 |
1. 剥離する胃小窩壁細胞の経時的形態変化に関する詳細な超微形態解析 独自に遂行した従前の研究成果から、ラットに摂食刺激を加えて作製した単離胃粘膜モデルにおいて、胃小窩壁細胞が顕著に剥離する現象を見出している。本研究を遂行する第一段階として、微細構造の保持に優れた高圧凍結技法による試料作製を実施し、詳細な超微形態解析を行い、剥離する壁細胞における細胞内小器官や細胞骨格、細胞膜の経時的形態変化を中心に、基盤となる形態学的所見を収集した。この結果、オートファゴソームの超微細構造と、その形成過程に関する詳細を明らかにすることができ、次年度以降の解析の基盤を確立ことに成功した。
2. 剥離現象に伴う細胞接着関連蛋白の局在変化に関する免疫組織化学的解析 上記1.の解析で得られた超微形態学的所見に基づき、剥離に際して必要となる細胞接着の解離機構を明らかにするため、E-cadherin、β-Catenin, Occludin、Claudin 1、ZO-1などの細胞接着分子の細胞内局在について、金コロイド標識抗体を用いた電子顕微鏡レベルの探索を含む免疫組織化学的解析を開始した。
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