糖尿病性腎症(DN)は、糸球体構成細胞や尿細管上皮、間質に多彩な異常を生じる慢性難治性疾患である。間葉系幹細胞(MSC)は、多彩な液性因子・分泌小胞によるパラクライン作用を介して、組織再生能や免疫制御能を発揮し、腎組織構成細胞の障害に対する有効性が期待される。一方で糖尿病患者骨髄由来MSCは、その細胞機能異常により自家移植において十分な治療効果が期待できない。そこで異常化したMSCを調整し治療効果を高めるために、臍帯由来抽出物を用いた新しい細胞賦活化法を開発した。賦活化したMSCは、in vitroにおける細胞機能が回復し、DNモデル動物に対する治療効果も改善した。
|