大気圧走査電子顕微鏡 (Atmospheric scanning electron microscope; ASEM) と呼ばれる新型の電子顕微鏡を用いて培養ニューロンのもつ微細構造を観察する方法を確立することを目指した。電子線を透過する耐圧薄膜を備えた専用ディッシュに、ポリ-D-リジンによるコーティングを施し、マウス胎仔由来の大脳皮質ニューロンを培養した。得られたニューロン試料に対してリンタングステン酸染色を行うことにより、糸状仮足のASEM検鏡に成功した。この検鏡法を、軸索ガイダンス因子ネトリン-1が大脳皮質ニューロン軸索シャフトにおいて示す糸状仮足生成促進作用の解析に活用した。
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