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2014 年度 実施状況報告書

タイト結合膜蛋白クローディン7の扁平上皮癌に対する抑制効果の三次元培養での検証

研究課題

研究課題/領域番号 26460285
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

稲井 哲一朗  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (00264044)

研究分担者 北河 憲雄  福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (40628517)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードタイト結合 / クローディン / 重層扁平上皮
研究実績の概要

ヒト食道の重層扁平上皮癌由来の細胞株TE-1, TE-8, TE-11のタイト結合蛋白発現をウエスタンブロットで調べると、TE-11はZO-1, occludin, cldn-1, -4, -7の全てを発現し、TE-1はcldn-1の発現がなく、TE-8は全ての発現がなかった。E-cadherinについては、TE-1, -8, -11全てで発現がみられた。参考とした論文(Lioni et al, 2007)では、TE-8細胞はE-cadherinを発現しないとされていたが、実際には発現されていたので、E-cadherinをTE-8細胞に発現する実験は中止した。
AcGFP を付与したcldn-1, cldn-4, cldn-7 の cDNA、すなわちAcGFP-cldn-1, AcGFP-cldn-4, AcGFP-cldn-7を作成して、ドキシサイクリン(dox) による発現制御ベクターであるpTRE2hygベクターに挿入し、発現ベクターを構築した。これらを、pTet-On vectorとともにTE-8細胞にコトランスフェクションし、dox制御下にAcGFP-cldn-1, -4, -7を安定に発現する細胞をハイグロマイシンとG-418で薬剤選択して樹立を試みた。cldn-1, cldn-4, cldn-7を安定に発現するTE-8細胞を得る事ができたが、cldn-4についてはdox制御が不十分であるために、現在再作成を行っている所である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の研究計画では、ドキシサイクリン制御下にcldn-1, cldn-4, cldn-7を発現するTE-8細胞を樹立して、これらの発現をウエスタンブロットと蛍光染色(AcGFP)で確認することになっていた。cldn-4についてはドキシサイクリンによる制御がやや不十分であるが、現在再作成を試みており、研究計画はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

以下により、正常重層扁平上皮層内部での癌細胞の浸潤性、分化度、細胞間接着、生存率を調べるための実験条件を確定する。
1.正常ケラチノサイトの三次元培養での重層化に要する日数を検討する。重層化の経過を0~21 日の期間で調べ、解析を行うのに十分な重層化が得られる日数を確定する。
2.癌細胞(TE-8-AcGFP-cldn-1, TE-8-AcGFP-cldn-4, TE-8-AcGFP-cldn-7)と正常ケラチノサイトとの混合比率を検討する。癌細胞と正常細胞を混合する比率を1:1, 1:2, 1:5, 1:10, 1:20, 1:50 で検討し、癌細胞の動態を観察しやすい比率を確定する。
3.正常細胞と癌細胞の混合培養における導入遺伝子発現のタイミングと期間を検討する。①細胞をまきこむ時からdox (-)またはdox (+)として3, 7, 14, 21 日後に観察する。②dox (+)で細胞をまきこみ、十分に重層化した後にdox (-)として0, 1, 3, 7, 14 日後に観察する。③dox (-)で細胞をまきこみ、十分に重層化した後にdox (+)として0, 1, 3, 7, 14 日後に観察する。

次年度使用額が生じた理由

当初購入を予定していた正常細胞EPC2-hTERT細胞が輸入できないことが分かり、正常ケラチノサイトで代用することになったため。

次年度使用額の使用計画

次年度は、細胞をフィルター上で細胞を重層化する計画である。このセルカルチャーインサートが1個当たり600円で高価であり、また、細胞培養に使用する培地が500 mLあたり30,000円で高価であるので残余金はこれらの購入に充てる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] β-cell induction in vivo in severely diabetic male mice by changing the circulating levels and pattern of the ratios of estradiol to androgens2014

    • 著者名/発表者名
      Inada A, Inada O, Fujii NL, Fujishima K, Inai T, Fujii H, Sueishi K, Kurachi K
    • 雑誌名

      Endocrinology

      巻: 155 ページ: 3829-3842

    • DOI

      10.1210/en.2014-1254.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Inhibition of JNK in HaCaT cells induced tight junction formation with decreased expression of cytokeratin 5, cytokeratin 17 and desmoglein 3.2014

    • 著者名/発表者名
      Kitagawa N, Inai Y, Higuchi Y, Iida H, Inai T
    • 雑誌名

      Histochem Cell Biol

      巻: 142 ページ: 389-399

    • DOI

      10.1007/s00418-014-1219-9.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Molecular cloning and subcellular localization of Tektin2-binding protein 1 (Ccdc 172) in rat spermatozoa2014

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi A, Kaneko T, Inai T, Iida H
    • 雑誌名

      J Histochem Cytochem

      巻: 62 ページ: 286-297

    • DOI

      10.1369/0022155413520607.

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] The effect of Nisin on keratinocyte cytoskeleton and intercellular junction2015

    • 著者名/発表者名
      北河憲雄、稲井哲一朗
    • 学会等名
      第120回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      神戸国際会議場・展示場
    • 年月日
      2015-03-21 – 2015-03-23
  • [学会発表] HaCaT細胞のタイト結合形成誘導による基底細胞マーカー発現の変化2014

    • 著者名/発表者名
      北河憲雄、稲井哲一朗
    • 学会等名
      第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-27
  • [学会発表] HaCaT細胞におけるタイト結合形成とMitogen-Activated Protein Kinase (MAPK)2014

    • 著者名/発表者名
      水上正彦、北河憲雄、阿南壽、稲井哲一朗
    • 学会等名
      第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-27
  • [学会発表] 無線LANを活用したeラーニングによる組織学実習に対する学生の評価2014

    • 著者名/発表者名
      畠山雄次、北河憲雄、稲井哲一朗、沢禎彦
    • 学会等名
      第33回日本歯科医学教育学会総会および学術大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2014-07-04 – 2014-07-05

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公開日: 2016-05-27  

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