Corticotropin-releasing factor(CRF)はCRF1,CRF2の2種類の受容体を介して作用を発揮する.我々はストレスによって起きる大腸胃運動促進,内臓知覚過敏はCRF1を介する反応であり,CRF2はCRF1によるこれらの反応を抑制し,CRF1,CRF2シグナルのバランスにより,これら消化管の機能変化を既定することを示し,CRFシグナルのバランス説として発表した.また動物IBSモデルで認められる内臓知覚過敏は,LPS-サイトカイン系を介する反応であり,CRFは免疫反応を制御することで,作用を発揮していること,またこの反応でもバランス説が成立することを報告した.
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