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2017 年度 実績報告書

イオンチャネルにより駆動される胎生期の神経細胞移動と細胞間情報伝達機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26460293
研究機関浜松医科大学

研究代表者

秋田 天平  浜松医科大学, 医学部, 准教授 (00522202)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード胎生期 / 大脳皮質形成 / GABA / 細胞移動 / 移動誘導因子 / 移動忌避因子 / 細胞内Ca2+シグナリング / イオンチャネル
研究実績の概要

最終年度も引き続き、大脳皮質形成期にあるマウス胎仔(胎生14日目)終脳内の神経細胞のうち、腹側基底核原基より皮質に向かって移動中のGABA作動性介在神経細胞の前駆細胞を研究対象とした。その前駆細胞の移動誘導因子であり、統合失調症発症脆弱性因子として知られているNeuregulin 1 (Nrg1)、及び移動忌避因子であるSemaphorin 3A (Sema3A)の作用により誘起される細胞内Ca2+濃度変化の有無を、ライブセルイメージング法により検討したところ、どちらの因子も有意にCa2+濃度上昇を引き起こすことが判明した。Nrg1によるCa2+濃度上昇については、作用直後に細胞膜の何らかのCa2+チャネルが開口し、細胞外からのCa2+流入が起こることによることも判明した。一方、Sema3AによるCa2+濃度上昇は、作用後1-2分遅れて開始する傾向があり、Ca2+の起源については現在検討中である。
以上のことから、前年度までの検討で判明した、Nrg1の作用により誘起されるK+チャネルや陰イオンチャネルの活性化は、細胞内Ca2+シグナリングを介する可能性が示唆された。一方、Nrg1とは相反する効果をもたらすSema3Aの作用についても、細胞内Ca2+シグナリングを介する可能性が示唆され、Nrg1とは異なるCa2+源が用いられていることが予想される。また、これらの異なる因子の作用が、どちらもCa2+シグナリングを介して起こるということは、それぞれの因子により最終的に活性化される機能蛋白分子が、Ca2+源の極めて近傍に配置されており、開口したCa2+源の種類の違いに応じて異なる機能蛋白が駆動されるような機序の存在を示唆している。今後の検討によりその機序を明確にすることは、Ca2+シグナリングの多様性の統合的な理解を進める上で、普遍的に重要である。

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公開日: 2018-12-17  

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