心臓の洞房結節細胞に観察される持続性内向きナトリウム電流(Ist)は、心拍リズムの形成に寄与することが示唆されているものの、この電流を担うチャネル分子は同定されていない。本研究は、L型Caチャネル(Cav1.3)がIstの発生に関与する可能性について検討してきた。その結果、Cav1.3遺伝子を欠損したマウスではIstが完全に消失していることを見出した。そこで、次世代シーケンシングを用いてCav1.3のRNA編集あるいはスプライスを検討したが、ナトリウム透過性をもたらすバリアントの存在は確認できなかった。Cav1.3と機能的に連関した何らかのNaチャネルがIstの発生に関与すると考えられた。
|