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2016 年度 実績報告書

脂質による受容体活性型チャネル制御とCaによるチューニング作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26460296
研究機関京都大学

研究代表者

森 誠之  京都大学, 工学研究科, 准教授 (80342640)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードTRPチャネル / 脂質 / PIP2 / Ca2+シグナル / Calmodulin / G蛋白質受容体
研究実績の概要

昨年度に引き続きTRPCイオンチャネルの作動原理を探る目的で、PIP2に対する応答性を各種変異体を用いて検討した。その結果、C末のTRPboxの下流にある領域に変異を導入するとPIP2に対する応答の方向性(ポラリティー)が反転する変異体を見出した。30種近くあるTRPチャネル群の活性化機構においてPIP2の増減が重要であることは知られている。しかし活性化メカニズムに至っていないものが多い。そこで、この発見を下にポラリティースイッチドメインに関する詳細な検討を行った。PKAやPKC、JAK2の影響を確認したところ、多少の変化は及ぼすが、ポラリティーが反転するほど効果は得られなかった。一方、プロリン残基の影響について検討したところ、プロリン残基は極めて重要なスイッチとして働いていることを見出した。今後PIP2の応答性の変化が生理的にどのような意義があるのか検討するうえで、新たな知見が得られたと考えている。
また、Ca2+が受容体刺激により活性化されるTRPCチャネルのPIP2感受性に与える影響を検討した。その結果Ca2+をイオンキャリアとして用いると、TRPC6チャネルはBa2+の時に時に比べ、PIP2に対する親和性が強くなることが観察された。このことからPIP2は細胞内カルシウムが上昇しても、イオンチャネルの活性を維持する機能を十分保持していることが示唆された。これに加え、生理的な状況においてPIP2とTRPC6電流の同時測定を行ったところ、PIP2の減衰はそれほど大きくないことが明らかとなった。これらのことから、生理的状況で観察される早いTRPC6の不活性化には、Ca2+依存的な経路の重要性が明らかとなってきた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Calmodulin and ATP support activity of the Cav1.2 channel through dynamic interactions with the channel.2017

    • 著者名/発表者名
      Minobe E, Mori MX, Kameyama M.
    • 雑誌名

      J Physiol.

      巻: 595 ページ: 2465-2477

    • DOI

      10.1113/JP273736

    • 査読あり
  • [学会発表] Ca2+ buffering alters lobe specificity of CaM regulation on TRPC6 channels2017

    • 著者名/発表者名
      Onur Polat, Masatoshi Uno , Maruyama Terukazu, Masayuki X Mori, Kayo Imamura , Mariko Ariyoshi, Masahiro Shirakawa, Hidehito Tochio , Yasuo Mori
    • 学会等名
      日本生理学会
    • 発表場所
      浜松カンファレンスセンター、静岡県浜松市
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30
  • [学会発表] Functional role of Calmodulin and structural basis for Ca2+ -dependent desensitization on TRPC6 channels2016

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Uno , Masayuki X Mori , Kyouhei Ituki , Hideharu Hase ,Terukazu Maruyama ,Kayo Imamura , Mariko Ariyoshi, Masahiro Shirakawa, Hidehito Tochio , Yasuo Mori
    • 学会等名
      分子生物学会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜、横浜市
    • 年月日
      2016-11-30 – 2016-12-02
  • [学会発表] Functional role of Calmodulin and structural basis for Ca2+ -dependent desensitization on TRPC6 channels2016

    • 著者名/発表者名
      Masatoshi Uno , Masayuki X Mori , Kyouhei Ituki , Hideharu Hase ,Terukazu Maruyama ,Kayo Imamura , Mariko Ariyoshi, Masahiro Shirakawa, Hidehito Tochio , Yasuo Mori
    • 学会等名
      第27回生体系磁気共鳴国際会議
    • 発表場所
      京都国際会議場、京都市
    • 年月日
      2016-08-21 – 2016-08-26
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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