膜融合装置過渡的スネア複合体に及ぼすシナプトタグミンの結合の影響を調べた。リポソーム間の過渡的スネア複合体に結合させたシナプトタグミンはCa2+により解離した。FRETを利用したリポソーム融合アッセイにおいて、スネアによる膜融合はシナプトタグミン存在下で抑制されCa2+により回復した。過渡的スネア複合体中のスネア同士の結合状態のFRET解析により、シナプトタグミン結合時でもスネアモチーフは第6層まで会合していることが示唆された。この結果は、シナプス小胞のドッキング後形成される過渡的スネア複合体は、スネアモチーフ同士が結合した状態でCa2+流入まで保持されているとする完全ジッパー仮説を支持する。
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