研究課題/領域番号 |
26460299
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
挾間 章博 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60218394)
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研究分担者 |
三宅 将生 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00381385)
小林 大輔 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (40528080)
勝田 新一郎 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (80285022)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | セシウム / Cs / イオンチャネル / ion channel / トランスポータ / transporter / HeLa |
研究実績の概要 |
本年度は培養細胞HeLa細胞に対して、培養液中にCs+イオンを添加し、1日培養した細胞の細胞内環境をキャピラリー電気泳動法により評価を行った。この手法により、HeLa細胞に実際にCs+イオンが流入していることが明らかになった。厳密な濃度については、更にキャリブレーション方法に工夫の余地が残されているものの、細胞外にCs+イオンを添加することにより、細胞内液にCs+イオンのシグナルが観察された。同時に記録される細胞内Mg2+イオンを表すシグナルを利用してCs+イオンの増減を評価する方法を開発した。細胞内Mg2+イオンについては、細胞外Cs+イオン負荷により細胞内濃度が変化しないことを細胞内Mg2+イオン感受性色素であるMAG-FURA2により確認を行った。また、細胞内pHの変化をpH感受性色素BCEGFを用いて観察し、Cs+イオン負荷時には、細胞内アルカリ化が起きていることを見出した。これらの結果については、既に論文投稿中である。RIを用いる実験については、未だ、準備段階であり、実験については次年度としたい。Cs+イオンを輸送する輸送体の候補については、現在、いくつかの遺伝子に絞り込みクローニングを行っている段階である。完全長のDNAを得ることができたら、発現実験へと移行する予定である。動物個体を対象にした実験については、平成27年度移行に実施する予定であったが、前倒しを行った。平成26年度は、ウサギに対してCs+イオンの急性投与実験を行い、大動脈内カテーテル法により循環動態をモニタした。Cs+イオンは、濃度依存的に不整脈(2段脈)を引き起こし、その後、心停止をもたらした。この結果についても単独の論文として論文投稿を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度にCs輸送体の候補分子の発現実験まで行う予定であったが、完全長DNAのクローニングに時間がかかり、発現実験に至っていないことが、やや遅れていると判断した理由である。ただし、動物実験については、まずCsを急性に投与した効果を明らかにしたことで。当初の予定より進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、HeLa細胞より、Cs輸送体の候補分子の完全長DNAのクローニングを試みたが、予定より時間がかかったため、市販のDNAを購入して利用することも検討したい。
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