研究実績の概要 |
本研究は、がん細胞のネクローシス(壊死)とアポトーシスを制御する因子を特定し、その腫瘍生物学的な意義を明らかにすることで、がん治療標的として応用可能な因子を見出すことを目的としている。 平成26年度は、以下の研究成果を得た。 (1)細胞死モデル細胞(マウス乳がんFM3A細胞F28-7株及びF28-7-A株)において、ネクローシスを起している細胞もしくは、アポトーシスを起している細胞から培地中に漏出されるタンパク質について、プロテオミクスの手法を用いて解析を行った。ネクローシスとアポトーシスにおいてそれぞれ特徴的な漏出タンパク質を見出した。 (2)これまでの研究から見出している細胞死制御因子 (Lamin-B1, Cytokeratin-19, ATF3, MicroRNAs) について、siRNA、miRNA mimicを用いて種々のヒトがん細胞株に対する抗がん効果を評価し、抗がん治療標的としての可能性を検討した。このうち、これまでの研究から見出しているMicroRNAについて、抗がん治療標的としての可能性を見出した。 (3)これまでの研究から見出している細胞死制御因子 (Lamin-B1, Cytokeratin-19, ATF3, MicroRNAs) について、腫瘍内壊死部位での発現有無を検討するために、腫瘍モデルマウスでの検討の前段階として、ヒトがん細胞株を用いた3次元培養評価系を構築した。
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