研究課題
本研究は生殖制御神経・神経内分泌機構における新規に見出されたKisspeptinニューロンについての機能形態学について多角的に検索した研究である。これまでの研究により、以下のポイントについて解決するに至っている。1) 弓状核に存在するkisspepin, NKB, dynorphinを含有する、「KNDYニューロン」におけるそれぞれの神経ペプチドの神経小胞へ局在様式について免疫電子顕微鏡法を用いて、それぞれの神経ペプチドが別々の神経小胞に局在することを明らかにした。2)老化における Kisspeptin-GnRH-pituitary-gonad systemの変化と生殖機能変化の関連性に関する研究展開を行い、KNDYニューロンにおけるkisspeptin, NKB, dynorphinのそれぞれの発現変化が、agingによって個々の変化を示し、これらの個々の発現変化が、最終的にKNDYニューロンの機能低下、その後の生殖機能制御機構の低下、生殖機能低下に繋がっていく動的変化を明らかにし、老化に伴う生殖機能変化のメカニズムの一端を明らかにし、閉経、更年期障害等の婦人科的課題を考える上で重要な基礎的データを示した。また多嚢胞性卵胞症候群(PCOS)のモデル動物を作製し、PCOSにおけるkisspeptinニューロンの劇的な機能低下の可能性を見出し、今後の治療、創薬への基礎的データを示した。3) Kisspeptin受容体であるGPR54の脳内分布に関する網羅的解析に成功し、脳内におけるkisspeptin受容体の分布とkisspeptinニューロンの支配を受ける各種ニューロンの関連性について研究展開を行い、現在、さらに詳細な研究展開を行っている。4) 光ファイバーを用いた脳内神経細胞機能測定システムの開発と非拘束・無麻酔下における動物の神経細胞の初歩的なimagingに成功した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 11件、 謝辞記載あり 11件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件) 図書 (2件)
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